1著作者であることの証拠(全体)
著作権のトラブルでは『著作者=創作者が誰か』という根本的部分が問題となることがよくあります。創作した人と不正に流用した人,というように明確に
分かれているとは限らないのです。
本記事では,著作者であることの証明や証拠について説明します。
証拠となるものは非常に多くのものがあります。そこで最初に証拠となるものを大きく分類・整理します。
<著作者であることの証拠(全体)>あ著作権登録
著作権を登録する制度がある
著作権の発生とは関係ない
=必要ではない=任意の制度である
継続的な創作・多数の創作物については非現実的である
※著作権法75条〜
い一般的な創作の証拠
創作したことが分かるような資料
多くのものがある(後記※1)
う著作物の特性による創作の痕跡・証拠
著作物の特徴・特性を利用した痕跡を残す方法
意図せず行ったことが結果的に証拠となることも多い
ア写真撮影の創作の痕跡・証拠テクノロジーの進化に伴いバラエティが増えている(後記※2)
イプログラム作成の創作の痕跡・証拠(後記※3)
2一般的な創作の証拠
創作したことの痕跡は,一般的な創作の証拠です。具体例を含めて分類を整理します。
<一般的な創作の証拠(※1)>あ基本的事項
『ア・イ』に該当するものを確保・保管しておく
ア創作者でなければ持っていないイ無断で利用する者は持っていないい具体的な資料(基本)
創作過程でできるor作られるもの
う文字・イラストの創作に関する具体例
原稿・下書き
え移動を伴う創作に関する具体例
移動経路・旅程に関する資料
ア交通費の領収証イ航空機のチケットの半券ウオンライン予約の記録オパスポートの出入国記録(スタンプ)カ移動中や現地の写真
3写真撮影の創作の痕跡・証拠
写真を撮影したことに関する証拠はいろいろなものがあります。
<写真撮影の創作の痕跡・証拠(※2)>あ別の写真
付近・別角度の写真(撮影した写真の場合)
い対象画像の公表外情報(ナチュラル)
アトリミング前の画像(勘合符方式;後記『え』)トリミング加工後に公表した場合
勘合符貿易による照合の応用技
イEXIFデータ公表した画像にはEXIFデータが含まれていないああい
う対象画像の公表情報内(加工方式)
ア透過サイン画像自体に変更が及んでしまう
イアルファチャンネルによるサインアルファチャンネルを使えるソフトが少ない
ウ電子透かし(ステガノグラフィー)え補足説明
勘合符について
日明貿易の際,取引当事者の真正を証明するために用いられた
ただし,諸説がある
※田中健夫『勘合符・勘合印・勘合貿易』/『対外関係と文化交流』思文閣出版1982年;日明貿易について
4プログラム作成の創作の痕跡・証拠
プログラム,つまりソースコードは容易に,かつ完全に複製(コピー)することができます。実際に複数の者が創作者であると主張する状況もあります。プログラムを創作した証拠となるいろいろな痕跡をまとめます。
<プログラム作成の創作の痕跡・証拠(※3)>あ基本的事項
創作者固有の情報を『埋め込む』方法がある
埋め込む箇所は主に『い〜え』がある
いタイトル画面
タイトル画面に直接的に著作者を表示する
例;『CNINTENDO』(著作権マーク)
うプログラムのソースコード
詳しくはこちら|ドンキーコングの著作権の帰属・著作者の刻印(ドンキーコングJr事件)
え特定の操作に対する反応(隠しコマンド)
詳しくはこちら|著作権者=創作者の判定は難しい|著作者の刻印|XEVIOUSに学ぶ
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